夏に食べたくなるゼリーの作り方でたびたび出てくるアガー。
どんなものでどうやって使うの?
ゼラチンや寒天と何が違うの?
アガーの使用にむいているものってあるの?
と気になりだし、調べてみましたよ(*^▽^*)
そこで今回は「アガー」使い方はもちろん、特徴やどんなものを作るときに使うといいのか。
また寒天やゼラチンとの違いや使い分け方について紹介していきますね♪
アガーって何?!使い方とは。
アガーはゲルを形成する多糖類。
原材料は、「カラギーナン」という海藻由来の多糖類や「ローカストビーンガム」という植物種子由来の多糖類です。
多糖類は水に溶かして加熱し冷やすと、網目構造を作ってその中に水分を包み込んで固まる性質があるですよ♪
だからゼリーやプリンなど固める冷たいスイーツに使えるというワケです◎
それから多糖類って何?と思わたかもしれません。
少し補足しておくと、多糖類はブドウ糖などのこれ以上分解できない糖(単糖類)が10個以上結合した炭水化物のこと。
でんぷんやデキストリン、グリコーゲン、セルロースなども多糖類と呼ばれます。
そんなアガーどうやって使うものなのでしょうか?!
アガーの使い方
寒天やゼラチンのように水でふやかす必要がないアガー。
使い方は、先に砂糖とアガーを混ぜ合わせ、そこに水やジュースなどの液体を加え火にかけます。
ちなみに、アガーの量の目安は、水分の全体量に対して1~2%です。
65℃を超えてくれば溶けて固まりはしますが、食感がよくないため85~90℃とほぼほぼ沸騰するくらいまで加熱。
アガーは30℃くらいの常温でも固まりますが、しっかり固まるのはやはり冷蔵庫。
そのため荒熱が取れたら冷蔵庫に入れて冷やし固めます。
これはゼラチンや寒天と一緒ですね(*^▽^*)
アガーを使う時の注意点
使い方は、水にふやかす必要がない以外、ほぼ寒天やゼラチンと大差なしです。
が、唯一気をつけたいのが、ダマになりやすい点。
混ぜ合わせる材料にもよりますが、ダマができやすく、混ざりにくいという特徴があります。
そこで使う時の注意点をお伝えしておきますね。
①あらかじめ砂糖はアガーと混ぜて、そこに液体を加えること
砂糖を後から加えると、糖類の多い部分に特に結合作用が働いてしまうため、ムラができやすくなってしまうんです。
ムラができてしまうとうまくアガーが溶けてくれない!!
結果、うまく固まらなかった(;’∀’)
ということにもなりかねません。
そこでお砂糖を入れて作る場合は、先にアガーと混ぜ合わせて置く。
この作業は必須ですよ!!
②砂糖を使わない場合は、アガーに少しずつ液体を加え混ぜ溶かす
アガーに一気に水分を加えると、できるのがダマ。
そして1カ所に固まりができてしまうと、これがやっかい!!
溶けてくれません!!
そこで砂糖を使わない場合は、アガーを鍋にいれてそこに少量ずつ水を足しながら混ぜながら火にかけてくださいね。
③酸味の強いものは要注意
果汁などの酸味が強いものを先にアガーと混ぜて煮たせてしまうと、固まらなくなることが多いです。
そのため果汁や洋酒など酸味の強いものを加えるのは、軽く煮沸して火を止めたあと!!
入れるタイミング、大事ですのでご注意ください。
④冷たい豆乳や牛乳もダマになりやすい
豆乳や牛乳は冷蔵庫で保存。
冷えてますよね。
冷たい豆乳や牛乳を加えると、確実にダマになり固まりません!!
これは、アガーを常温より低い温度の液体にまぜてしまうと、アガーの温度も常温より低くなってしまい急に固まってしまうためです。
一度固まりダマになると、先ほどお伝えしたようにやっかい!!
回避するためには、牛乳や豆乳をあらかじめ温めてからアガーに少しずつ加えて混ぜ合わせる or 少量の水でアガーを溶き煮沸させたあとに豆乳や牛乳など冷たい液体は入れるようにしてくださいね。
アガー・寒天・ゼラチンの違い
どれも凝固剤で加熱し冷ますと固まる性質があるのはおんなじ。
でも違いが出るんですよ。
では何が違うのか、見ていきましょう!!
原材料の違い
まずは原材料。
3つとも違います。
アガーは先ほどもお伝えした通り、「カラギーナン」という海藻や「ローカストビーンガム」という植物種子でしたね。
では寒天はというと、テングサやオゴノリなどの海藻。
アガーも海藻由来のものが原材料なので近いですね(*^▽^*)
それに対してゼラチンは、牛・豚の骨や皮に含まれるコラーゲン。
たんぱく質が原料です。
原材料だけ見比べると、アガーと性質が違いそうなのはゼラチン。
でも実際はどうなのでしょうか。
他の項目もチェックしていきましょう。
溶ける温度と固まる温度の違い
アガー・寒天・ゼラチンはどれも煮溶かして使いいます。
が、溶ける温度や冷やして固まり始める温度がそれぞれ違うんですよ!!
まずはアガー。
溶ける温度は85~90℃以上。
固まる温度は、30~40℃と常温でも固まるという特性があります♪
常温で固まるメリットは、なんといっても持ち運び!!
冷蔵庫のない外で食べる環境のときでも使えるところです。
続いて寒天。
溶ける温度は、アガーと似ていて90℃以上。
固まる温度は、40~50℃と常温でも固まります。
さいごにゼラチン。
溶ける温度は50~60℃とアガーや寒天と比べると低いです。
固まる温度も20℃。
こちらも低い!!
そのため夏場など室温が25℃を上回ってくると、常温に置いておくと溶けはじめてる…。
必ず冷蔵保存です。
食感の違い
さて、少しずつ違いが見えてきましたが、まだまだあります。
今回は一番大事な仕上がりの食感。
食べるときの舌触り大事ですよね。
では、見ていきましょう。
まずアガー。
ぷるんぷるん・ツルンの食感。
とろんとすくったときに落ちる感のあるやわらかい仕上がりになります。
そのためみずみずしくてのどごしがいいできになるのが特徴です。
続いて寒天。
こちらはどちらかというと、ブルンだったり、サックリ。
量にもよりますが、スプーンですくったときにくっきり跡が残る感じ。
弾力なども出にいです。
さいごはゼラチン。
なんといってもくちどけの良さです。
ゼラチンが解け始めるのが25℃くらいから。
口の中はそれより温かい(笑)
そのため溶けていく感じも分かりますね。
それともう一つ。
ゼラチンでつくるとふるふる。
アガーよりもさらにやわらかい!!
ぷるぷるんって感じの仕上がりになります。
固まる強度の違い
食感の違いが関係してくるのですが、固まる強度も違います。
強さを並べて比較すると
寒天 > ゼラチン > アガー
この順番になります。
仕上がりの透明感違い
さいごは仕上がりの透明度。
これ何を使うかで全然違ってくるんですよ!!
引用:https://tomiz.com/contents/labo_gyoukozai
まずはアガー。
これはめっちゃ透明。
お皿に柄などがあれば、透き通って見えるほど透明に仕上がります。
続いて寒天。
こちらも透明ではあるのですが、黄色みを帯びた透明です。
さいごは寒天。
透明感はなく、白く濁った感じになります。
こうして比べてみると、固める性質のある凝固剤なのに違いますね(;’∀’)
でもどんなデザートを作るときに、何を使ったらいいのか、向き不向きがこれだけでは分からない!!
ということで、使い分けをさいごにお届けしますね♪
アガー・ゼラチン・寒天の使い分け
同じ凝固剤だから、冷やして固めるものであればどれを使っても固まるには固まります(笑)
でもせっかくなら食感をうまく生かしたいですよね?!
そこで、それぞれ得意なデザートをお伝えしていきます◎
アガーが得意なもの
- プリン
- ゼリー
- 水ようかん
- 杏仁豆腐
ふるふるの食感とスプーンですくったときにとろんと残る感じを生かせるのが上記のようなデザート。
杏仁豆腐やゼリーのとろん感は、市販に一番近い感じになりますよ♪
そしてゼリーだと透明感も抜群!!
引用:https://oceans-nadia.com/user/42635/recipe/256327
キレイな透明感のあるゼリーができます!!
寒天が得意なもの
- 水ようかん
- 牛乳かん
- ところてん
など、しっかりと形を出したいお菓子に適しています。
ゼラチンが得意なもの
- ゼリー
- ムース
- マシュマロ
- ババロア
寒天やアガーと違ってゼラチンのたんぱく質は泡を固めることが得意!!
泡立てたクリームやメレンゲも固めることができるほどなんですよ(*^▽^*)
そこでムースやマシュマロなどふわふわした食感を出したいときにはゼラチンです。
さいごに
アガーとは何か?からスタートしましたが、ゼラチンや寒天との違いもスッキリしましたでしょうか?!
凝固剤だし、代用して作っちゃえーとなってしまうこともありますが、せっかくなら特性を生かして作ってみると面白いかもしれませんね(笑)
私は今回調べてみて、せっかくなら特性をうまく生かして作ってみたい♪となりました。
そうすれば、食感や見た目にも満足できそう( *´艸`)
同じ凝固剤ですが、それぞれの特性、ぜひ上手に活用して使ってみてください。