ご年配のかたと暮らしていると、食事の面での苦労や悩みが多くあるかと思います。
とくに二世帯、三世帯でお住まいのみなさま。
世代に応じた食事を毎食作らなければならないなど、大変なことが多いかと思われます。
そのなかでも「食事を食べてくれない」というお悩みは絶えないようです。
なぜ?どうして?
このままでは身体にまで影響がでてしまう。
心配ですよね、食事は命に関わることです。
今回はそんな心配を少しでも軽減させられるよう、ご参考になればと思います。
高齢者の祖母が食事を食べない!!考えられる原因は?!
なにもなく、ただ食べない、ということはないかと思います。
なにか原因があるかと思われますので、まずはそこの追求からではないでしょうか。
身体的な問題
高齢になると身体能力や体力が衰え、それにともない食欲も減退するようです。
つまり運動量や行動量が減り、空腹になることも減ります。
それにより食欲不良は起こりますが、それで食べなくてもいいということではありませんし、そのままでは栄養不足になり病気になってしまうかもしれません。
また、高齢者の症状のひとつで、口の中が乾いてしまう症状(口渇)があります。
このようになると食べ物の味が感じにくくなり、食欲低下に陥ることが多いです。
つまり口内環境に変化が起こったことにより、食べ物を口に入れることが嫌になってしまうのです。
このような場合は水分補給や専門医への相談をしたほうがいいかもしれません。
精神的な問題
食事は家族そろって楽しく、おいしくというのが理想かもしれません。
しかし高齢ともなると食べれる物が限られたり、食べられる場所が限られたりします。
やわらかい物が中心になったり、施設で食べなくてはならなかったり。
おそらく施設ではヘルパーさんがおり、友だちや仲間がいて、おしゃべりをしながら自分のペースで食事をしているのかもしれません。
それが家族と一緒の食事となりますと、ペースや雰囲気、でてくる食べ物の違いがあるでしょう。
意識をしていなくても、なんとなく環境の違いを感じとってしまい、食欲がなくなってしまうのかもしれません。
しかし作ってもらう食事がいやだ、家族と一緒の食事がいやだというわけではないと思います。
ほんとうは家族と同じ食事がしたいのかもしれません。
作ってもらうことに対して、感謝しているのだとも思います。
そんなとき、会話をするきっかけをつくってみてはいかがでしょう。
施設ではどんな食事がでるのか、どんな会話をしながら食べているのか。
家ではどんな物が食べたいのか、どんな食べ物なら食べられるのか。
普段の会話をしながら、そんなことが聞き出せたら会話もはずみ、好きな食べ物がわかり一石二鳥ではないでしょうか。
ひとりで悩んでいるよりも、家族の力を借りながら、一緒に解決していけたら良いのでは?!と思います。
お年寄りが食事を食べないときにはどうしたらいいの?!
食事を作る側としては、塩分ひかえめにですとか、やわらかい物を中心にですとか、いろいろ考えると思います。
それなのに食べてくれないとなると、悲しいやら悩ましいやら。
心配になった結果、無理にでも食べてもらいたい!
そう思うのは、家族なら当然のことでしょう。
しかしそんな気持ちが、実はストレスになっていることもあるようです。
そうなってしまった場合、本人が食べたい物を食べたいぶんだけ食べさせてあげる、ということで良いようです。
たとえばお菓子、たとえばアイス、たとえばコンビニ食。
まずは“食べてもらう”ということが大事です。
栄養が偏るじゃない!と思われるかもしれません。
それでも食欲をおとさない、ということが大切。
食欲の時間が苦痛になってしまっては、もともこもありません。
まずは食べ物を口にすることを継続することからです。
また逆に2、3日の絶食をしてみるのも一つの手です。
空腹を感じることによって、食欲がわくかもしれません。
その場合、デザートや飲み物、アイスといった軽いものから始めると良いですよ。
さいごに
食事は命に関わること。
家族が食べないことによって心配もしますし、食べてもらおうと奮起するかもしれません。
しかしそれが伝わるとストレスにもなり、よけいに食欲は失せてしまいます。
そんなときはなにが食べたいか、どんな物が好きかを聞きながら、少しずつでも一緒に食べ物を口にしていけるといいかもしれません。
一緒に食べることは楽しい、好きな物を食べられることはうれしい、そんな気持ちをもたせてあげることが大事なのかもしれません。
また、
「バランスの取れた食事を作らなければ」
「塩分をひかえて素材の味をいかして」
「やわらかい物を中心にした献立を考えなければ」
そんなことばかりだと、作る側の人まで疲れてしまいます。
ここはひとつ気持ちをラクにして、
「お菓子が食べたいなら、1食くらい大丈夫かも」
「デザートだけでも一緒に食べられたらいいわね」
それくらいの余裕があってもいいかもしれません。
ただあまりにも心配だったり深刻な状況の場合には、医師に相談してくださいね。